輸出型企業 円安継続で収益増見通し １ドル１１５～１２６円想定
工作機械のエンシュウは、ドルを前期比約９円増の１２０・８円、ユーロを０・８円増の１３１・３円と設定した。受注環境改善を好材料に販売増を掲げ、今期の営業利益は６６％の大幅増を見込む。同社は国内金融機関の相場見通しを基に想定レートを設定していて、「海外情勢の急変を含め、自社だけで先を読むのは難しい。今期は相場の安定を望みたい」（経営管理部）。
前期に為替効果が４２５億円分の営業増益に寄与したスズキ。ドルは前期比８円増の１２０円、通貨別の影響額が最も大きいインド・ルピーは前期比０・０８円増の１・６０円と円安を見込んだ。一方、ユーロは１円減の１３０円とするなど一部通貨を円高で読み、２３年３月期全体では営業利益ベースの為替効果を３００億円と前期より抑えた。
ヤマハは、ドルを前期比３円増の１１５円と、足元の１２７円と比較して抑えた水準で予想。担当者は「（円安に）過剰反応しない」と堅く見通す。
想定レートを非公開とする上場企業も一定数ある。海外展開する県西部のメーカーの役員は「第１四半期、中間期でどう為替が動くか。円安は基本はプラスに働くが、輸入原材料のマイナス影響も通期で重荷になる恐れがある」と先行きを慎重に見極める構えだ。
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円安進行 輸出型企業、為替動向を注視 功罪両面「急進望まず」
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