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価格設定の考え方

価格設定の考え方
「価格」を決めるのはお客様です。主軸の商品に対して、いくらだったらお客様は満足してくれるのだろうか、競合他店の価格設定はどうなっているのだろうか、といった着眼点で店を見るようにしましょう。お客様が来店され、さらにリピーターになってくれなければ、商売は成り立ちません。価格の決定は、自分達が提供する価値を、お客様の立場で検証して、お値打ち感のあるものにしなくてはなりません。

【連載】マーケティング・ミックス~価格設定

製品の価格設定について検討する要因は、 コスト、需要、競争 の3つです。
(1)その製品の製造、販売の過程でかかったコストの合計に一定の利幅を加える方法… コスト志向
→原材料費+労務費+諸経費+利幅=価格
(2)顧客の需要の状態に基づく方法… 需要志向
→ある製品について顧客がどれくらいの価格だったら買ってもよい、買いたいと思っているのか。顧客の値ごろ感や購買習慣に基づいた価格設定
(3)競争企業の価格面の動向に基づく方法… 競走志向
→競争企業の価格設定を参考に自社の価格を決定する

また、価格設定で考慮しなければいけないのは、 価格戦略 です。
「価格競争」と「非価格競争」 とありますが、どちらで戦っていくのか決定する必要があります。

(1)価格競争 …価格の引下げにより、需要を刺激し、販売量を拡大させて、売上高の増大を図る
価格設定の考え方 (2)非価格競争 …価格では競争せず、周辺機能やサービスを持って売上高の増大を図る。
非価格競争の手段は下記のとおりです。
1)製品差別化 2)プロモーション 3)新市場の開拓 4)販売チャネルの整備 5)垂直的マーケティング・システムの構築 6)固定客化の推進(サービス、会員化、ポイント・カード制の導入など)7)その他(配送の迅速化、クレジットの供与、訪問販売、自動販売機方式、生産量の調整など)

非価格競争 は、 「価格以外の分野で、他社商品と差別化を図り、付加価値を高める競争」 のことです。一般的に、市場には、競争企業が存在し、同等の品質や機能の商品が競合しています。
すると、消費者はより安い価格の商品を選択します。それに伴い、企業は他社より少しでも安く価格設定しようとコストダウンを図りますが、これには自ずと限界がきます。例えば、スーパーストアを思い出してもらえばよくわかるでしょう。
そこで企業は、価格以外の分野、つまり商品のブランド化、デザイン、パッケージ、品質、機能、アフターサービス等によって、他社との差別化を図りながら顧客ニーズに対応していくことで、競争力を高めていくのです。 価格競争はしない、という戦略をとるわけです。
競合他社との競争において、つい「価格」、しかも「低価格」で競争してしまいます。それが本当に自社にとって、「利潤確保」と「販売促進」の両者をもたらすものなのでしょうか。 価格設定は、自社の経営戦略、経営ビジョンに沿ったものでなくてはなりません。

高付加価値ビジネスに求められる価格決めの考え方

ビジネスモデルの2要素-ビジネスストーリーと利益モデル ビジネスモデルを実際につくる場合、2つの要素について考える必要があります。 一つは、「どの顧客に、どんな価値を提供するか」というビジネスの仕組みについてで、ビジネスストーリーと.

ブルー・オーシャン戦略を成功させるためには企業の再構築が必要だ

ブルー・オーシャン戦略が日本で根付かない3つの原因とは ブルー・オーシャン戦略に代表される競争しない経営戦略が21世紀に入ってから注目されています。 しかし、特に日本においては根付いているとは言い難い状況です。 その理由は3つ.

デフレ状況下で値上げをするためのポイント

日本の消耗材産業が抱える課題とは 消費財とは何かを明らかにするために、以下の定義を引用します。 消費財(consumption goods)人間の欲望を直接に満足させる財をいう。消費財には食料・燃料などのように一度の使用で消費されて.

これからの差別化戦略に重要な「譲れないこだわり」

トップ企業のみが採用できるコストリーダーシップ戦略 戦略と言っても、人事戦略、財務戦略など様々な戦略があります。 その中で競争戦略場合、マイケル・ポーターが提唱した戦略論を基本としていることがほとんどです。 .

企業の強みを見つけるためのヒント

「強み」の定義によって変わる「強み」の見つけ方 強みの「定義」と「見つけ方」は一体不可分な関係です。つまり、ある「定義」を前提として初めて、その「見つけ方」が適切かどうかを判別することができるのです。 たとえば、「イイ男(イイ女)を.

経営環境の変化により求められるイメージ価値での差別化

2021年以降の経営環境における3つの変化とは コロナ禍を経た2021年以降の経営環境には、これまでとは違う3つの特徴があることを知る必要があります。 この特徴を理解しておかないと、誤った前提で考え実行することになり、事業がつまずく.

価格を決める5つの戦略

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ただし、テレビの市場は、価格が下がれば購入者が増える弾力的な市場です。企業としては、規模の経済性によるコストダウンをしたり、工場の稼働率を高く維持することを考えると、販売量を増やさねばなりません。したがって、いずれは価格を下げ、普及させなければならない製品カテゴリーでもあります。一方、このようなテクノロジー製品は、次期規格製品に膨大な研究開発費がかかります。8Kテレビも10年ほど前にすでに研究が始まっていました。そのため、メーカーは下記のような理由で、開発コストを早く回収しなければなりません。

  • 次期規格や次々期規格の長期的研究開発に、すぐにでも投資を始めなければならない
  • 普及価格帯では開発コストを回収するほど利益が出ない
  • 需要の上限が予測されている(例えば、家庭数以上の普及は難しいなど)

また、このような製品を高価格で購入してもらうには、消費者の価格感受性が下がっている必要があります。例えば、8Kの映像美を「今まで見たことがない」と感じたり、8K製品がまだ1種類しか発売されておらず「取って代わるものがない」と感じたり、まだ誰も所有しておらず「ステータス感」を感じたり、といった理由で「購入しても惜しくはない」と思ってもらう必要があります。

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顧客価値ベースの価格戦略

顧客価値ベースの価格設定 は、顧客が受け止めている製品の価値に基づいて価格を設定し、掛けられるコストを計算し、製品設計に落とし込んでいく方法です。

テキストでは、顧客価値ベースの価格設定として、 知覚価値価格設定バリュー価格設定 の2種類が紹介されています。

知覚価値価格設定

知覚価値価格設定は、顧客の「知覚価値」を基準に価格設定する方法です。

自社の価値提案で約束した価値を提供し、顧客にその価値を知覚してもらうことが必要です。そのため、企業は提供物の価値を明確にし、顧客のマインドに知覚価値を植え付け、それを高めなければなりません。価値を明確にする方法としては、フォーカス・グループ・インタビューや顧客サーベイ調査、過去のデータ分析などが用いられます。知覚価値を高める方法として、広告やマーケティング・ミックスが用いられます。

とはいえ、価値を明確にするのは容易なことではありません。顧客も用途を理解していないような新しい商品の場合は、特に困難になります。これは、顧客もその商品にいくら支払うのが妥当なのか分からないためです。

例えば、現在、人工知能(AI)はあらゆる産業で「何か新しいことができそう」という期待は持たれていますが、多くの場合、顧客もAIができることを理解してはいません。それゆえ、AIを使った商品の価格妥当性の判断も難しいことが多いです。そこで、AI提供企業は、PoC(Proof of Concept)やPoV(Proof of Value)といった実験を通して、価値を確認していく作業をしていますが、多くの場合はPoCで終わってしまい、価値を確認するPoVにまで到達できずにいます。

バリュー価格設定

バリュー価格設定は、お得感のある価格で提供することで、顧客ロイヤルティを獲得する方法です。お得感は高品質にもかかわらず低価格だった場合に感じ、低品質・低価格ではお得感は感じられません。

特に有名なのが、ウォルマートが始めた エブリデイ・ロー・プライシング です。これは、一時的な値引き販売をほとんど行わず、常に低価格で販売する方法です。日本では、ニトリがこの戦略を採用しています。反対に、日頃の価格は基本的に高めに設定し、販売プロモーションのために一時的に低価格にする手法は、 ハイ・ロー・プライシング と呼ばれます。

他の方法としては、確立されたブランド製品の廉価版を販売する方法があります。例えば、高級アパレルブランドのカジュアルラインとか、ファーストフードのセット商品などがあります。

また、今や一般に認知されている航空業界のLCCを発明したサウスウエスト航空は、あらゆる手法でローコストオペレーションを徹底し、経営効率を高め、既存航空会社の下限価格を下回る価格で航空券を販売しました。その価格が長距離バスの価格と大差がなかったため、乗客の流入を促進させ、市場拡大に成功しています。

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競合他社ベースの価格戦略

競合他社ベースの価格設定は、まず自社の競争地位によって戦略が異なります。

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コスト・ベースの価格戦略

コスト・ベースの価格設定は、製品の開発や製造に要したコストを計算し、そのコストに目標利益を上乗せした金額を価格として設定する方法です。ただし、顧客の知覚価値を無視しているため、消費者に高すぎると判断されると、売り上げを落とすか利益を減らすしかなくなるリスクの高い方法でもあります。

テキストでは、 コスト・プラス法マークアップ法 )と 損益分岐点による価格設定ターゲットリターン価格設定 )が紹介されています。

コスト・プラス法

コスト・プラス法は、製品の コストに一定の利益を上乗せ する価格設定方法です。下図のように、製品一つ当たりのコストと、事前に決められた利益率(例:20%)から価格を決定します。

コスト・プラス法の特徴は、顧客の需要と競合他社の価格を無視している点です。そのため、市場に受け入れられないリスクが高い方法でもあります。とはいえ、この方法には次のようなメリットもあります。

  • 販売者は、価格設定を単純化できる
  • 業界全体がこの方法であれば、似たような価格に落ち着き、価格競争が起きにくい
  • 販売者にも購買者にとっても、この方法は公正だと感じられやすい
  • コストが増えると利益が増えるため、コストダウンの意味がない
  • 購買者にとっての公正性が失われるため、利益率を増やしにくい

損益分岐点による価格設定

損益分岐点による価格設定は、総コストと 目標利益を設定 し、目標利益を達成する販売数を計算して、価格を決定する方法です。コスト・プラス法では製品1つ当たりの利益を考えましたが、この方法では製品販売全体の利益を考えるところが異なります。目標利益を設定するため、ターゲットリターン法とも呼ばれます。

ただし、ここで割り出した販売数が本当に売れるのかどうかは分かりません。価格と販売数の関係は、需要曲線を使った価格弾力性を確認する必要があります。もし、価格に対して販売数が多すぎた場合には、価格を下げて上図の総売上線(オレンジ線)を水平に近づけ、損益分岐点を確認します。このとき、販売数が損益分岐点を下回るようであれば、販売は中止したほうが良いでしょう。逆に、価格に対して販売数が少なすぎる場合には、価格を上げて、目標利益を達成できる販売数を減らすことができます。

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市場浸透価格戦略

市場浸透価格設定は、 価格設定の考え方 あえて原価割れするような低価格を設定 して、市場シェアを急拡大させる価格設定です。一時的に赤字になったとしても、市場シェアを獲得すれば、コスト優位性を発揮し利益を獲得できることが予想されるため、この方法が採用されます。

  • 低価格に反応する市場をターゲットにしていること
  • 低価格によって市場成長が期待できること(弾力的市場であること)
  • 大量生産によってコスト優位に立てること(規模の経済性が効くこと)
  • 低価格によって他社を牽制できること

これに加えて、近年では、外部ネットワーク効果を迅速に有効化するためにも、採用されていると思います。

外部ネットワーク効果とは、電話のような利用者が増えるほど利用価値が増えていく製品で、利用者が別の利用者を呼び込む効果です。この効果が有効な場合、一定の利用者数に到達すると、利用者数が急拡大していく現象が見られます。この急拡大する一定の利用者数に早く到達したい場合、市場浸透価格を設定する必要があります。

第五章 メニューをつくろう Part1

商品価格は、一般的に 【 価格 = 原価 + 利益 】 という式になります。飲食店の原価は、食材もしくは加工品の購入価格となります。当然その中には、取引先のコスト(製造費・物流費・加工費・人件費等)や利益が含まれています。その価格に、自分達の利益(粗利)を加えたものが商品価格となります。しかし、この式では、原価が上がると商品価格が上がります。また、利益を多く確保しようとする場合も必然的に商品価格が上がるという意味も含まれています。

「 価格 」 と 「 原価 」 の考え方

商品価格というのは、顧客の購入動機という観点から見れば、最も重要な要素です。お客様は、その商品価値と価格のバランスを見て、「これは安い・高い」と判断します。商品価値とは、前回で書いたように、味・価格・盛り付け・食材・提供方法で決まります。これにサービススタイルや業態特性といった要素が加わって、お客様は価値を判断します。

「 価格 」 と 「 原価 」 の考え方

業態の特性というのは、この例が示すように、ステーキハウスは“非日常”の場、ファミリーレストランは今や完全に“日常”の場として使われています。従って、ステーキハウスが 3000円のステーキにお値打ち感を出したいのであれば、空間演出や調度品にかなりの投資をしなければなりません。加えて、高度なサービスも要求されるでしょう。また、ファミリーレストランが1200円のステーキを売ろうとすれば、600円の原価では商売になりません。商品の品質を落とさないことが前提であれば、ステーキハウスと同じ品質の食材を400円以下で調達しなくてはなりません。それには、高度な食材調達能力が必須であり、かつ多店舗展開等のマスによる調達メリットも活かさなくてはなりません。

同じ品質のものであれば、原価は高いより安い方がいいのは当然です。この考え方を数式で表すのであれば、前述した 【 価格 = 原価 + 利益 】 ではなく、

【 原価 = 価格 − 利益 】

前出の式では、原価が上がれば価格は上がる、利益がほしければ価格は上がることになり、努力目標が見えない形になってしまいます。【 原価 = 価格 − 利益 】 と考えれば、目標原価がはっきりしてきます。

「 価格 」 と 「 原価 」 の考え方

「価格」を決めるのはお客様です。主軸の商品に対して、いくらだったらお客様は満足してくれるのだろうか、競合他店の価格設定はどうなっているのだろうか、といった着眼点で店を見るようにしましょう。お客様が来店され、さらにリピーターになってくれなければ、商売は成り立ちません。価格の決定は、自分達が提供する価値を、お客様の立場で検証して、お値打ち感のあるものにしなくてはなりません。

坂尻先生の実践アドバイス! 価格設定の考え方
価格と原価の原則を知っておくべし!

外食ドットビズ 論説主幹・坂尻高志

外食大手のすかいらーくに20年以上勤務した後に外食経営コンサルタントとして起業した論説主幹・坂尻高志。
外食向けオーダーエントリーシステム(OES)を日本で初めて世の中に出し、現セイコーインスツルをOES大手に育て上げた後やはり外食経営コンサルタントとして起業をした主幹・酒美保夫。
外食ドットビズに携わる多彩な起業家経験者が、外食産業で起業を目指す皆様に起業家マニュアルをお届けいたします。

集客もリストも不要!年収1,000万円を突破する戦略

自分が高いなぁと思っているサービスは、人に勧められないから、もちろん売れません。
それと同時に
自分が「これじゃ安いなぁ」と思っているサービスも売れません。
価格を安くすれば、一度や二度は売ることはできるかもしれませんが、
安く売れば売れるほど、時間ばかりとられて、お金が残らなかったりするということが往々にして起きてきます。
そうすると、自然と気持ちにブレーキがかかり、安く売ることを続けることはできなくなります。

何に値段を付けているかが重要

例えば、
10回コンサルティングするので、1回30,000円で300,000円のコンサルティング契約
といったように、提供するプロセスに値段をつけてしまいます。

高額化しようと思ったら、プロセスに値段をつけることしません。
あなたがサービスを提供した結果、
お客様が手に入る未来に値段をつけます。

例えば、
コンサルティングをした結果、お客様が100万円の売上があがるのであれば、
その価値に値段をつけます。

売上100万円に至るまでのプロセスは関係ありません。
コンサルティングの数に値段をつけるのではなく、
コンサルティング結果の価値に値段をつけることが高額化につながります。

重要なのは、ゴールを明確にすることです。
手に入れたい未来に価格を設定するのですから、
相手の欲しい未来が、見えていないと売れません。

飛行機に例えるならば、
北海道にいきたいのか?
沖縄にいきたいのか?
行き先が明確にならずに航空チケットを買う人はいないのと同じです。

うまくいかない人は、
行き先を明確にせずに、飛行機に乗ること(プロセス)に値段をつけて、
売ろうとしているので、売れないですし、売れても低単価になってしまっているのです。

お客様に高いと思われるのではないか?

自身のサービスを高額化しようと思った時に
「お客様に高いと思われて、誰もいなくなってしまうのではないか?」
という恐れがあるかもしれません。

高いと思われる場合、
サービスの内容(何が手に入るのか?)が伝わっていない
というのが多くの場合です。

あなたのサービスを通じて、
何を成し遂げられるかが伝わっていないと
額面だけみて、「高い」と思われるでしょう。

しかし、ゴールを提示して、
それを叶えられるサービスであることを理解してもらえれば、 価格設定の考え方
金額に関係のない判断をするお客様はたくさんいます。

あなた1人で価格設定をしなくていい

それは、
1対1のテストマーケティングです。

サービスを作った時に、あなたが一番届けたい人に
「興味あったら、話してみませんか?」
と声をかけて、
実際にそのサービスをプレゼンしてみましょう。
その反応から、より適正な価格がみえてきます。

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